昔はよくペットをフィラリアで亡くしたという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。最近はフィラリア予防薬も発達したりして、あまりフィラリアになったということを見かけませんが実際はどうなのでしょう。

とはいえ、フィラリアは今でもペットの命を脅かしている病気のひとつです。それでは、ペットに寄生するフィラリアのついて詳しくみていきたいと思います。

フィラリアのとは?

”フィラリア”とは、蚊に刺されることで感染する寄生虫のことです。フィラリアに感染している動物の血を蚊が吸い、その蚊がほかの動物の血を吸ったときにフィラリア幼虫が入り込み感染します。

フィラリア幼虫は脱皮を繰り返して体内で成虫となり、血管を移動して心臓や肺動脈に寄生します。そして成虫はミクロフィラリアを産み、さらに増えていき様々な症状をもたらします。

フィラリアはイヌだけではなくネコにも寄生する

フィラリアに感染するのはイヌだけかと思われている方も多いと思いますが、ネコにもフィラリアは感染します。フィラリアの感染経路はイヌと同じで、蚊に刺されることで感染します。

イヌよりネコのほうが、フィラリアの症状は深刻なことが多いようです。ネコの場合は、フィラリアが心臓や肺以外に脳へも侵入します。

また、ネコは自身の免疫機構によってフィラリアを殺し、その結果突然死が起こったり肺組織のダメージから慢性呼吸器疾患になることもあります。

フィラリアを媒介する蚊とは

日本でフィラリアを媒介する蚊は、16種類います。

アカイエカ、コガタアカイエカ、チカイエカ、カラツイエカ、ネッタイイエカ、ヨツボシイエカ、トウゴウヤブカ、ヒトスジシマカ、キンイロヤブカ、ネッタイシマカ、ホッコクヤブカ、アカンヤブカ、チシマヤブカ、カラフトヤブカ、シナハマダラカ、アシマダラヌマカ

ヒトスジシマカやアカイエカやチカイエカは、日本全土に生息しているので油断はできません。

フィラリアの症状は?

フィラリアの症状は、寄生してからの期間や寄生したフィラリアの数で違ってきます。一般的に初期症状はほとんど無症状なので、見逃してしまいがちです。フィラリアに感染しても数年間は症状がでないことも多いです。

まず、フィラリアの最初に気づく症状としては”咳”です。そして元気になくなっていったり、散歩をいやがるようになります。この時点で、すでに心臓や肺血管にダメージが出始めている状態です。

やがて、肝臓や腎臓にも影響が広がり最終的には死にいたる病気です。まれな例ですが、急に血尿がでてその後約1週間で死んでしまう急性大静脈症候群になることもあります。

フィラリアが進行すると・・・

フィラリアが進行したときの症状は以下のようなものがあります。

  • 咳を慢性的におこす
  • 元気がなく、散歩もいやがる
  • 激しい運動ができなくなる
  • 全身のうっ血状態を起因をした主要臓器の機能不全
  • 急にやせたり、腹水がたまる
  • 運動時に失神する

フィアリアの治療法って?

もしフィラリアにかかってしまったら、治療法は大きく分けて4つの方法があります。どの方法を選ぶかは、症状の進行具合とペットの年齢・体力などから総合的に判断します。

手術でフィラリア成虫を取り出す

手術でフィラリア成虫を取り出す場合は、全身麻酔をかけてからのどを切開してカテーテルを血管内に挿入し、フィラリアを直接つまみ出します。

血管がフィラリアによって傷つけられてもろくなっているため、カテーテルで血管を傷つける危険があります。

無事にフィラリアを取り出したあとは、フィラリア予防薬で幼虫を駆除します。

投薬でフィラリア幼虫と成虫を全滅させる

まだ比較的体力のあるペットに対する治療法です。フィラリアを薬だけで全滅させるのは、薬による副作用とフィラリア駆除によって死んだ虫が血管に詰まるリスクがあります。

急性の血流不全をおこさないように治療後は安静を保ち、運動はペットの様子をよく観察して除々に再開するようにします。

投薬でフィラリア幼虫だけ殺して、成虫はそのままにする

上記とほぼ同じことですが、ペットにかかる負担を考えてフィラリア幼虫のみ駆除する場合があるようです。

対処療法だけで、フィラリアは駆除せず咳を抑えたり貧血を改善する

ペットの年齢や体力が、手術や投薬治療に耐えられないと判断された場合はフィラリアは駆除せず対処療法のみとなります。貧血を改善する薬を投与したり、気管支拡張剤などで咳を抑え呼吸を楽にすることもあります。

また、腹水がたまり始めたら利尿剤を使って排尿を促進させたりします。ペットのQOLを上げることがポイントとなります。

フィラリアの予防法とは

それでは、フィラリアの予防法について書いていきたいと思います。

蚊にさされないようにする

フィラリアの感染経路は、蚊による吸血です。虫よけスプレーや蚊取り線香などで蚊よけ対策をして、蚊にさされないようにすることが大切です。

蚊が多いのなら予防薬を

もし蚊にさされてフィラリア幼虫が体内に侵入していきても、1ヶ月に1回の予防薬を定期的に投与することで確実にフィラリアを予防することができます。蚊が多い場所で飼う場合には必要です。

フィラリアの予防薬について

フィラリアの予防薬には、錠剤やお肉タイプのチュアブルがあります。予防薬の成分はミルベマイシン、モキシデックなどがあります。錠剤もチュアブルものまない子は、錠剤をチーズの中にいれて与えるのがおすすめです。

これらの抗生物質は、体内に侵入したミクロフィラリア(L1)が2回脱皮してL3と呼ばれる状態のときに効果を発揮します。L1のフィラリアがL3の状態になるには2~3週間かかります。

なので、蚊の主な活動時期は4~11月ですが、フィラリアがL3に成長するのを待ち1ヶ月プラスして4~12月まで投与するのが通常の予防薬の使い方です。

初めてフィラリア予防薬を与えるときは、ネット通販でもフィラリア予防薬を販売しているところがありますが、すでに多数の幼虫が感染していると急に駆除することで血管に詰まってしまい危険なので一度動物病院で検査するようにしましょう。

すでにペットにフィラリア予防薬を定期的に投与していて買い足す場合は、ネット通販のほうが安価なので利用してもいいかもしれません。

フィラリアの感染率って?

フィラリアの感染率についてですが、2009年に岩手の動物病院でのフィラリア検査の報告では、イヌ817頭のうち94頭(11.5%)がフィラリアの陽性反応がでたとのことです。フィラリアに感染したイヌの飼育環境は、室内犬が8.1%、室外犬が91.9%でした。

ペットは室内で飼えば、フィラリアのリスクはかなり低くなるということがわかります。

蚊からペットを守ろう!

フィラリア成虫に寄生されてしまうと、発見が早くてもフィラリアが完全に治るかというとそうではありません。手術や投薬治療でフィラリアを駆除しても、ペットの傷ついた血管や臓器は完全に元通りになることはありません。

ペットには健康で長生きしてほしいものです。フィラリアの末期症状は苦しいものなので、フィラリア予防はしっかりとして蚊からペットを守りましょう!